2017年11月02日

鉛筆の持ち方

 スクールカウンセラーとしていくつかの小学校や中学校で活動していますが、最近少し気になっていることがあります。それは、お箸の持ち方と鉛筆の持ち方です。ほとんどの学校では、給食は順番にクラスを回って子どもたちと一緒に食べるようにしています。中学校で気づいたのですが、お箸を持たないで、スプーンで食べている生徒をちらほら見かけるのです。最初は、お箸を忘れたのかなと思っていたのですが、そうではなくて、スプーンの方が食べやすいという生徒もいて驚きました。それと同じようなことですが、正しい鉛筆の持ち方ができていない子どももよく見かけるので気になっています。

鉛筆の持ち方は成績に関係するようです

 正しい鉛筆の持ち方ができないと、どんなことが良くないでしょうか? 見た目が悪い、字がきれいに書けないなどは、多くの保護者の方が感じていると思います。しかし、それだけではなく、勉強の成績にも大きく関係していると言われています。
 例えば、鉛筆の持ち方が悪いと、字を書く時に非常に疲れやすくなります。そうすると、漢字を練習して覚えるときには、何度も書くことが子どもには大きな負担になってしまいます。そうすると、漢字の学習にも悪影響になります。それだけではなく、字を書くことそのものが大変な負担になりますから、授業中にノートを書くことが億劫になったりして、勉強のやる気もそがれがちです。
 また、テストの時にも、自分で書いている字が自分の手で隠れてしまうこともあります。そうすると、細かな部分で字を間違ってしまうとか、筆算で計算をする時に繰り上がりの数字が見えなくて、計算ミスをするということもあります。
 そういったことがあって、鉛筆を正しく持つことは、学習が定着していくために非常に大切なことなのです。成績にも大きく影響することが分かっていただけると思います。

鉛筆の持ち方はずっと間違ったままになってしまいます

 鉛筆を正しく持てる子どもの割合についてのある調査の結果を紹介します。小学校1年生では正しく持てる子どもは、3.8%、小学校2年生では2.3%、小学校3年生では5.6%、小学校4年生では2.9%、小学校5年生では4.7%、小学校6年生では4.7%、中学校1年生では4.1%、高校生では7.2%、大学生では7.6%ということです。ほとんどの人が鉛筆を正しく持てていないのですが、年齢が上がっても、正しく持てる人の割合はほとんど増えていきません。つまり、最初に間違った持ち方で鉛筆を持つようになってしまったら、そのままなかなか直らずにずっと正しくない持ち方で鉛筆を持つようになってしまうということです。そう考えると、できるだけ早い段階で、鉛筆の正しい持ち方を身につけさせることが大切だということが分かります。

 学校心理士の研修会で講師から聞いたのですが、ドイツの子どもたちは小学生ではほとんどの児童が正しく鉛筆を持てるということです。ドイツでは、小学校に入ってから初めて文字を習うと言うことで、小学校で文字を教えるときに鉛筆の持ち方も教えるということでした。そのため、正しく鉛筆を持てるということでした。しかし、日本では、小学校前にある程度文字をかけるようにしておくということが一般的のようです。こういったことから考えると、小学校に入学する前に、きちんとした持ち方を身につけてさせておくことが子どものためになるのだと思われます。

 幼児期の子どもたちは、お絵描きが大好きで、字を書き始める前からクレヨンなどを使ってお絵描きをすることが多いと思われます。クレヨンは正しい持ち方ではなくても、それほど困ったことはおきません。そのため、クレヨンの持ち方を指導したりせず、好きに絵を描かせることがほとんどだと思います。そのため、クレヨンの持ち方から習慣になってしまって、鉛筆の間違った持ち方がクセになってしまうことも多いようです。つまり、クレヨンを使い始める段階から、正しい持ち方を身につけさせることが大切なのです。

正しく持ちやすいクレヨン

 小さい子どもに正しい持ち方を指導するのは、意外と難しいものです。言葉で説明しても、なかなか説明が理解できないこともあります。絵を描きたい気持ちが強いと、持ち方を気にせずどんどん描こうとすることも自然なことです。大人が一生懸命に正しく持たせようとしても、なかなか無理があるものです。

サクラクレパス さんかくクーピーペンシル 12色

 こういった理由もあって、小さい子どもに正しいクレヨンの持ち方を覚えさせるには、持ちやすいクレヨンを使うことが、良い方法だと思われます。その一つが太くて持ちやすい三角形のクレヨンです。軸が三角形になっているので、子どもでも自然と親指と人差し指と中指の3本の指で持ちやすくなっているようです。

こどもえんぴつ6B

 また、鉛筆も三角形の軸で太めの鉛筆が市販されています。こういったものを活用して、早い段階から正しい持ち方を身につけるようにしておくことが、子どもには余計な負担をかけずに済む方法かもしれません。



タグ :子育て

同じカテゴリー(子育て)の記事画像
メールマガジンを始めます
児童心理5月号(金子書房)「いじめ再考」
カウンセリングでボードゲームを使うこともあります
知能検査WISC4を受けることができます。
夫婦げんかで子どもの脳が危ない!?(NHK)
子どもがなかなか寝ない
同じカテゴリー(子育て)の記事
 メールマガジンを始めます (2018-06-14 21:47)
 透明なゆりかご 産婦人科医院看護師見習い日記 (2018-05-06 18:57)
 児童心理5月号(金子書房)「いじめ再考」 (2018-04-13 14:39)
 カウンセリングでボードゲームを使うこともあります (2018-04-04 14:39)
 知能検査WISC4を受けることができます。 (2018-04-04 14:22)
 先生の役割を見直す (2017-12-25 16:55)
Posted by リソースポート at 21:45│Comments(0)子育て
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
コメントフォーム
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。
プロフィール
リソースポート
リソースポート
茨城県守谷市のカウンセリングルーム「リソースポート」です。主に子育てについてのカウンセリングを行っています。カウンセラーは学校心理士スーパーバイザー・臨床心理士の資格を持っていて、20年以上のキャリアがあります。
QRコード
QRCODE
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 0人