発達障害は、個性なのか障害なのかという話題は、良く語られています。杉山登志郎先生は「発達凸凹(でこぼこ)」という言葉をよく使っています。能力の高い部分と低い部分の差が大きくて、凸凹している、人のことを発達凸凹と呼んでいるようです。その発達凸凹の人が「適応障害」に陥った場合に、「発達障害」と呼んでいるようです。つまり、何か得意不得意が激しい人(発達凸凹)が、それがもとで、色んな苦労が大きくなったら(適応障害)、発達障害ということですね。発達凸凹というのは、何か可愛い呼び方ですね。

また、日本LD学会の作成したパンフレットには、「障害とは、理解と支援を必要としている個性である。」と書かれています。この言葉は、簡潔でかっこいいですね。すべての辞書に採用してほしいです。個性なんだけど、特に個性が際立っているから、すぐにパッと理解されないから、理解される必要があるということですね。個性が際立っているから、上手くいかなかったり、困ってしまうことが多くて、支援される必要があるということですね。

発達障害に限らず、障害は、本質的には個性なんだということですね。障害は、本質的には異常ということではなく、ひとり一人の違い、つまり、個性。それがきっかけで、色んな苦労が大きくなったら、個性にくわえて障害になってくるということですね。




ところで、もともと人は(生き物は)、多様性が生じるようにできています。色んな多様性がある(つまり個性がある)のが生き物として自然なことなんですね。発達障害と呼ばれる個性も、もともとから人間にあった多様性の一部分ですね。なぜ、多様性が生じるようにできているのかは、それが生存競争上有利(安定)だからですね。例えば、資産を運用するときに、リスクヘッジ(リスクを下げるための工夫)をします。金利が良い銀行にすべての資産を預けてしまったときに、その銀行がつぶれてしまったら、大変な損害になります。分散して預けたり投資をしたりするわけですね。生き物の多様性もそれと同じで、リスクを下げるためにもともと多様性が生じるようになっているのです。だから、発達障害と呼ばれるような個性が生じることも自然の範囲内なのです。

それから、極めて現実的なことで、あまり言われていないことを付け加えておきます。健康保険の問題です。健康保険がつかえるのは、病気や障害の診療ですね。ところで、病院は病気の治療だけではなく、健康なときにもお世話になることがあります。たとえば、健康診断です。実は、健康診断には、健康保険は使えません。基本的に自費での支払いになります。つまり、健康保険は病気(や障害)の治療にしか使えなくて、病気でない場合(健康診断など)には、健康保険が使えないのです。もし、「発達障害は発達凸凹で全然障害じゃなくて個性の範囲内ですよ。」ということだとしたら、健康保険が使えない可能性が出てきてしまいます。自費での診療になるわけです。突き詰めていくと、病院で健康保険を使って診療を受けるためには、障害である必要があるとも言えます。というわけで、発達凸凹という個性を持っている人達が、病院で支援を受けるためには、健康保険が使える方が便利ということで、ある意味、発達障害であるほうが良いわけです。という説明をどこかで聞いたことがあります(どこで聞いたかは忘れてしまいました)。なるほどなぁ~と思いました。


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Posted by リソースポート at 21:19│Comments(0)子育て発達障害
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