取手市がいじめによる自殺事件を踏まえて、補正予算で子どもへの相談体制などを整えるようです。

補正予算の概要という取手市の資料を見ると以下のように書かれています。

3.主な歳出補正の内容
今回の主な歳出補正のポイントは、3 項目となります。
1 点目に、いじめ防止対策に要する経費 299 万円を計上します。

【スクールカウンセラーの配置:1,600,000 円】
現在、県の事業でスクールカウンセラーが 4 名配置され、市内小中学校を
巡回していますが、児童・生徒、保護者、教職員に対し、より充実した教育
相談体制を整えるため、市の事業として 1 名を追加して配置します。
・スクールカウンセラー報酬額(臨床心理士等の有資格者)
30,000 円×2 日×25 週(6 か月)=1,500,000 円
・費用弁償
2,000 円×2 日×25 週(6 か月)=100,000 円

【命の授業講演会委託料:692,000 円】
市内中学校の 1、2 年生と保護者を対象に、専門家による講演会を開催し、
生徒の心に直接働きかけることで、命の大切さ、いじめを許さない、かけが
えのない命を尊重する気持ちを育てる取り組みを行います。
・講演料 108,000 円×6 回=648,000 円
・交通費、宿泊費 44,000 円

【学校生活支援事業教職員研修:698,000 円】
教職員が困っている子ども達を見分ける目を持ち、その時々に必要な支援
を過不足なく提供できるように、子ども達の隠された思いに気づき理解する
力を身に着けるため、市内小中学校の教職員への専門家による研修を行いま
す。
・講師謝礼 20,000 円×2 名×13 回=520,000 円
・費用弁償 3,000 円×2 名×13 回=78,000 円
・消耗品費 100,000 円

新聞報道では、産経新聞で「取手市教委、いじめ問題受けカウンセラー独自配置」と報道されていて、「新たなカウンセラーは市の教育関連施設に週2日勤務し、児童、生徒の相談を受けたり、保護者らに助言したりする。」とあります。新聞報道では、新たなカウンセラーは学校に勤務するのではないようです。取手市は「スクールカウンセラーの配置」と書かれていますが、教育関連施設に勤務だとスクールカウンセラーではありません。たいしたことでは無いかもしれませんが、どちらなのでしょうか?

新聞報道などで見る限りでは、いじめの事件から自殺に至るまでの経緯はあまりはっきりとは分かりません。いじめそのものが子どもを追い詰めることは間違いありませんが、学校や教職員の対応が悪いと子どもをさらに追い詰めてしまいます。教職員の対応こそ、一番の焦点になると思います。教職員の研修のために、予算をあてることは、ある程度意味があると思います。取手市内には小学校が14校、中学校が6校あります。が、2名で13回という予算の根拠は良く分かりませんね。
  

Posted by リソースポート at 08:23Comments(0)子育てカウンセリング
稲敷市庁舎 平成29年8月17日(木)に茨城県稲敷市で「子どもの自殺予防~ おとなたちにできること~」というテーマで講演をさせていただきました。
 稲敷市は、担当の方が精神保健福祉士の資格を持ったかたで、非常に熱心にこの企画を立ち上げてこられたようでした。ちなみに写真は稲敷市役所です。会場の設備も快適で、気持ちよく講演させていただきました。

 参加者は、小中学校の先生や市役所の関連課の職員の皆さんなど50名ほどでした。以前に学校で一緒に仕事をさせたいただいた先生方もいらっしゃって、講演中にはうなずいて聞いてくださり、あとでも声をかけて下さったり、ありがたい気持ちになりました。

 講演では、国の動きから、実際の子どもへのかかわり方まで幅広くお話をさせていただきました。最初に、平成29年7月に閣議決定された最新の「自殺総合対策大綱」に触れて国の施策の動きを概説しました。

 大綱では当面の重点施策の中に「子ども・若者の自殺対策を更に推進する」ことがとりあげられています。子ども・若者の自殺対策のために、具体的には以下のようなポイントがあげられています。
・いじめを苦にした子どもの自殺の予防
・学生・生徒への支援充実
・SOSの出し方に関する教育の推進
・子どもへの支援の充実
・若者への支援の充実
・若者の特性に応じた支援の充実
・知人等への支援

自殺予防活動は、一般に予防活動、危機対応、事後対応の3段階に分けて考えられています。予防活動(Prevention:プリベンション)とは、
通常の活動の中における支援です。日常的な悩みの相談に応えたり、生徒同士の良い人間関係づくりをうながしたり、ひとり一人の自己肯定感を育てたり、ソーシャルスキルを育てたりする活動も、自殺予防の活動とした考えることができるわけです。危機対応(Intervention:インターベンション)は、死にたい気持ちを抱えているなどの現在危機的な状況にある人を対象にした支援です。事後対応(Postvention:ポストベンション)不幸にも自殺が起きてしまった後に次なる自殺を起こさないための支援です。

 今回の講演では、特に、予防活動や危機対応の中での話の聴き方に焦点を当てて、お話をさせていただきました。自殺総合対策大綱で、「SOSの出し方に関する教育の推進」として具体的なポイントが上げられているからです。これには、大人がきちんと受け止めることが大前提だと思います。子どもがSOSを出したのに、きちんと聴けなかったら、子どもをさらに深く傷つけてしまします。だからこそ、丁寧に話を聴き子どもの気持ちを受けとめることをお伝えしてきました。どんな場合でも支援の基本は話を聴くことだと改めて思います。

 実は、この10年ほど、文部科学省などが子どもの自殺予防には国を挙げて取り組んできています。研究成果が利用可能な形でまとめられて、インターネットで手に入れることができます。例えば、文部科学省が平成9年にまとめた「教師が知っておきたい子どもの自殺予防」は具体的にどんなふうに子どもの自殺予防に取り組んだら良いか分かりやすく書かれています。さらにその内容をコンパクトにまとめたリーフレットもあります。「教師が知っておきたい」というタイトルですが、先生に限らず全ての大人に知っておいてほしい内容です。ぜひ一読されることをお勧めします。
 また、子どもへの自殺予防教育の導入についてまとめられている「子供に伝えたい自殺予防(学校における自殺予防教育導入の手引)」も一読の価値があります。子どもに自殺予防教育を行うことについては、自殺というテーマを扱うため、色々な不安や心配を持たれている側面もあります。そういった不安や心配を理解しつつ、共通理解を進めていくことの大切さから、この文部科学省の手引きは書かれています。現実に即していて、かつ丁寧な内容になっていると思います。

 子どもにかかわる人にはぜひお勧めしたい資料です。

 リソースポートのホームページでは、講演の内容を踏まえつつ、死にたい気持ちを抱えた子どもたちにどんなふうにかかわっていくかについては書いてみました。興味のある方は、「稲敷市で子どもの自殺予防についての講演をしました」ご参照ください。  

Posted by リソースポート at 21:13Comments(0)子育てカウンセリング
日本学校心理学会つくば大会
日本学校心理学会の第19回つくば大会が9月16日(土)と17日(日)に筑波大学筑波キャンパス春日校舎で開かれます。魅力的なプログラムがいっぱいです。会員ではない方も当日参加できます。
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子どもが笑顔になるコラボレーション~チーム学校の実現に向けて~
会期:2017年9月16日(土)17日(日)
会場:筑波大学 筑波キャンパス春日地区
つくば駅から徒歩7分(茨城県つくば市春日1丁目)

基調講演会
「やる気を引き出すコーチング~体罰からの脱却を目指して~」
 講師 山口香先生
    筑波大学体育系准教授、オリンピックメダリスト

特別講演会
「すべての子どものための心理教育的援助サービス~チーム学校を通して~」
 講師 石隈利紀先生
    日本学校心理学会理事長、東京成徳大学教授

教育講演会Ⅰ
「クラスに必ず1人はいる!? セクシュアルマイノリティの子どもたち」
 講師 杉山文野氏

教育講演会Ⅱ
「知能検査を活用した子どもの理解と支援」
 講師 大六一志先生

教育講演会Ⅲ
「学校危機に関するシミュレーション研修-いじめが疑われるプールでの事故を想定して-」
 講師 小林朋子先生

実行委員会企画シンポジウムⅠ
「国家資格『公認心理師』は学校教育にどう貢献するか」
 企画 石隈利紀(東京成徳大学教授)

実行委員会企画シンポジウムⅡ
「『チーム学校』における多職種協働・連携とその効果を問う
 -茨城県のフレックススクールの実践事例を通して-」
 企画 石隈利紀(東京成徳大学教授)
    萩谷孝男(水戸市総合教育研究所長)
    庄司一子(筑波大学教授)
その他、自主シンポ、ポスター発表など
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詳しい情報は日本学校心理学会のホームページからご覧下さい。  
タグ :学校心理

Posted by リソースポート at 08:00Comments(0)学校心理士

2017年08月08日

LINEでいじめ相談


ネットニュースを見ていると、「「LINE」でいじめ相談に応じるサービスが開始 - 滋賀県大津市で」(http://news.mynavi.jp/news/2017/08/07/163/)とのニュースを見かけました。
こういう取り組みはやってみると良いと思います。やってみながら改善して、子どもたちが相談しやすい環境を作っていくことが大切ですね。試験的な取り組みでモデル校数校が対象のようですが、広がっていくと良いですね。

「モデル校の生徒へは、相談用LINEアカウントを友だち登録するために必要な「QRコード」が入ったチラシなどを配布。」とのことです。お店とかがよく、友だち登録したらスタンプ無料などというキャンペーンやっていますが、可愛いラインスタンプがもらえると、登録が進むと思うんですが、いかがでしょう。

ところで、LINEなんかは、相談窓口だけじゃなくて、企業としてもっといじめ防止に取り組んでほしいと思います。例えば、AIの活用です。LINEのグループチャットには、AIがかかわるようにして、いじめと思われるような書き込みが生じたときには、AIらしい、ちょっととぼけたツッコミなどをして、場を和ませつつ、チャットのメンバーにやりすぎかなと自分で気づくチャンスを与えるような、機能を付けたら良いと思います。

自然言語をAIとして認識してコミュニケーションを取るというのは、今一番ホットな研究テーマのようです。研究者も、LINEと協力して、いじめを予防するグループチャットAIの開発とか、科研費ももらえそうですが、いかがですか?  
タグ :子育て

Posted by リソースポート at 07:19Comments(0)子育て
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茨城県守谷市のカウンセリングルーム「リソースポート」です。主に子育てについてのカウンセリングを行っています。カウンセラーは学校心理士スーパーバイザー・臨床心理士の資格を持っていて、20年以上のキャリアがあります。
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