稲敷市庁舎 平成29年8月17日(木)に茨城県稲敷市で「子どもの自殺予防~ おとなたちにできること~」というテーマで講演をさせていただきました。
 稲敷市は、担当の方が精神保健福祉士の資格を持ったかたで、非常に熱心にこの企画を立ち上げてこられたようでした。ちなみに写真は稲敷市役所です。会場の設備も快適で、気持ちよく講演させていただきました。

 参加者は、小中学校の先生や市役所の関連課の職員の皆さんなど50名ほどでした。以前に学校で一緒に仕事をさせたいただいた先生方もいらっしゃって、講演中にはうなずいて聞いてくださり、あとでも声をかけて下さったり、ありがたい気持ちになりました。

 講演では、国の動きから、実際の子どもへのかかわり方まで幅広くお話をさせていただきました。最初に、平成29年7月に閣議決定された最新の「自殺総合対策大綱」に触れて国の施策の動きを概説しました。

 大綱では当面の重点施策の中に「子ども・若者の自殺対策を更に推進する」ことがとりあげられています。子ども・若者の自殺対策のために、具体的には以下のようなポイントがあげられています。
・いじめを苦にした子どもの自殺の予防
・学生・生徒への支援充実
・SOSの出し方に関する教育の推進
・子どもへの支援の充実
・若者への支援の充実
・若者の特性に応じた支援の充実
・知人等への支援

自殺予防活動は、一般に予防活動、危機対応、事後対応の3段階に分けて考えられています。予防活動(Prevention:プリベンション)とは、
通常の活動の中における支援です。日常的な悩みの相談に応えたり、生徒同士の良い人間関係づくりをうながしたり、ひとり一人の自己肯定感を育てたり、ソーシャルスキルを育てたりする活動も、自殺予防の活動とした考えることができるわけです。危機対応(Intervention:インターベンション)は、死にたい気持ちを抱えているなどの現在危機的な状況にある人を対象にした支援です。事後対応(Postvention:ポストベンション)不幸にも自殺が起きてしまった後に次なる自殺を起こさないための支援です。

 今回の講演では、特に、予防活動や危機対応の中での話の聴き方に焦点を当てて、お話をさせていただきました。自殺総合対策大綱で、「SOSの出し方に関する教育の推進」として具体的なポイントが上げられているからです。これには、大人がきちんと受け止めることが大前提だと思います。子どもがSOSを出したのに、きちんと聴けなかったら、子どもをさらに深く傷つけてしまします。だからこそ、丁寧に話を聴き子どもの気持ちを受けとめることをお伝えしてきました。どんな場合でも支援の基本は話を聴くことだと改めて思います。

 実は、この10年ほど、文部科学省などが子どもの自殺予防には国を挙げて取り組んできています。研究成果が利用可能な形でまとめられて、インターネットで手に入れることができます。例えば、文部科学省が平成9年にまとめた「教師が知っておきたい子どもの自殺予防」は具体的にどんなふうに子どもの自殺予防に取り組んだら良いか分かりやすく書かれています。さらにその内容をコンパクトにまとめたリーフレットもあります。「教師が知っておきたい」というタイトルですが、先生に限らず全ての大人に知っておいてほしい内容です。ぜひ一読されることをお勧めします。
 また、子どもへの自殺予防教育の導入についてまとめられている「子供に伝えたい自殺予防(学校における自殺予防教育導入の手引)」も一読の価値があります。子どもに自殺予防教育を行うことについては、自殺というテーマを扱うため、色々な不安や心配を持たれている側面もあります。そういった不安や心配を理解しつつ、共通理解を進めていくことの大切さから、この文部科学省の手引きは書かれています。現実に即していて、かつ丁寧な内容になっていると思います。

 子どもにかかわる人にはぜひお勧めしたい資料です。

 リソースポートのホームページでは、講演の内容を踏まえつつ、死にたい気持ちを抱えた子どもたちにどんなふうにかかわっていくかについては書いてみました。興味のある方は、「稲敷市で子どもの自殺予防についての講演をしました」ご参照ください。  

Posted by リソースポート at 21:13Comments(0)子育てカウンセリング

2017年08月08日

LINEでいじめ相談


ネットニュースを見ていると、「「LINE」でいじめ相談に応じるサービスが開始 - 滋賀県大津市で」(http://news.mynavi.jp/news/2017/08/07/163/)とのニュースを見かけました。
こういう取り組みはやってみると良いと思います。やってみながら改善して、子どもたちが相談しやすい環境を作っていくことが大切ですね。試験的な取り組みでモデル校数校が対象のようですが、広がっていくと良いですね。

「モデル校の生徒へは、相談用LINEアカウントを友だち登録するために必要な「QRコード」が入ったチラシなどを配布。」とのことです。お店とかがよく、友だち登録したらスタンプ無料などというキャンペーンやっていますが、可愛いラインスタンプがもらえると、登録が進むと思うんですが、いかがでしょう。

ところで、LINEなんかは、相談窓口だけじゃなくて、企業としてもっといじめ防止に取り組んでほしいと思います。例えば、AIの活用です。LINEのグループチャットには、AIがかかわるようにして、いじめと思われるような書き込みが生じたときには、AIらしい、ちょっととぼけたツッコミなどをして、場を和ませつつ、チャットのメンバーにやりすぎかなと自分で気づくチャンスを与えるような、機能を付けたら良いと思います。

自然言語をAIとして認識してコミュニケーションを取るというのは、今一番ホットな研究テーマのようです。研究者も、LINEと協力して、いじめを予防するグループチャットAIの開発とか、科研費ももらえそうですが、いかがですか?  
タグ :子育て

Posted by リソースポート at 07:19Comments(0)子育て
もうすぐ夏休みですが、夏休みの期間中、学校の先生方はたくさんの研修に追われます。私も、いくつかの研修会に呼んでいただき、講師を担当することになっています。今年は、発達障害の子どもたちをどう理解してどう支援していくのかという内容での研修をいくつか頼まれています。私なりに、今まで学んできたことや自分の実践の中で工夫してきて手応えを感じていることをお伝えしようと思っています。



 そういった研修会の中でお話ししようと思っていることの一つに、「ごめんなさいが言えない」という問題への支援方法があります。学校現場では、発達障害の子どもたちが、友達とトラブルになってしまったときになかなか謝罪できず、先生方 が対応に苦慮しているという現状があります。相手の子に謝るように繰り返し指導しているけれども、自分勝手な理屈を主張して謝らないというような事例もあるようです。先生方も発達障害の子どもを責めたいわけではなく、その子が相手の子どもから否定的に思われることを避けるため、社会へ出たときに人と上手くやっていく力を育てるため、などと子どものためを思って一生懸命指導されているようです。しかし、繰り返し指導してもなかなか謝れるようにならないケースがあります。

 その一つに、「悪いことをした人は謝らないといけない」という指導方法がかえって逆効果になっている場合があります。発達障害の子どもの中には、自分自身が感じて いることが世界の全てであって、他人が自分とは違うふうに感じているということがピントこない子どももいます。そうすると、その子どもにとっては、自分自身は「悪いこと」はしていないという感覚なのです。
 例えば、小学校2年生の授業中の活動で話し合い活動をしていたとします。A君は、後ろを向いて後ろの座席の子ども(B君)と話していました。時間が来て、先生が話し合い終了の指示を出して、A君は前を向きました。そのときに、机の端においてあったB君の筆箱にA君の手が当たってしまって、B君の筆箱が机から落ちてしまいました。そしてB君の筆箱は割れてしまい、B君は泣きはじめてしまいました。それを見た担任の先生は、何が起 きたのかを本人や周囲の子どもたちから聞いて、状況を理解しました。そして、A君に対してB君に謝るように言いました。しかし、A君は「僕は悪くない」と言い張って、全く謝りません。さらに先生が指導すると、「B君が机の端に筆箱を置いていたのが悪い」「先生が急に前を向くように言ったのが悪い」と言ってきます。そこで、先生は「筆箱を落としたのはA君なんだから、悪いのはA君でしょう。悪いことをした人は謝らないといけないよ」と指導しますが、A君は「自分は悪くない」「B君と先生が悪い」と先ほどと同じ事を言ってきて指導を全く受け入れられない状況です。

 発達障害を持つ子どもの中には、こんなふうに友達とトラブルになって しまったときに謝れないということが生じがちです。こんな場合にお勧めできない指導方法は、「悪いことをした子は謝らないといけないよ」という言葉に表れてきている、「誰が悪いかを決め」「悪いことをした人が謝罪する」という指導です。発達障害の子どもたちは、他者の立場に立って、他者の見方で自分自身を理解することが苦手です。つまり、自分自身の立場にたって、自分自身の見方で理解した世界が世界の全てなのです。上述の例では、A君は筆箱を落としてやろうとか、B君を困らせてやろうなどとは全く考えていなかったでしょう。自分自身には悪意はないのです。だから「誰が悪いか?」とA君を追求していけば、A君は「筆箱を机の端に置い たB君が悪い」とか、「急に呼びかけてあわてさせた先生が悪い」と考えを進めていくしかありません。こういった状況で無理に「ごめんなさい」と言わせても、形だけの謝罪になってしまいがちです。A君にとっても、理解できない不快な体験として記憶される可能性が高いですし、B君にとっても納得のいかない結末となってしまうでしょう。

 では、どんなふうに指導していけば、トラブルが生じたときに謝らせることができるのでしょうか? まず、必要なことは、共感的にかかわることです。A君にもB君にも共感的にかかわる必要があります。B君が泣いているわけですから、まずB君に「筆箱が壊れてしまって、ショックだね。悲しい気持ちになる ね。」などと感情を言語化しつつ、気持ちを受け止めていくことが大切でしょう。そして、A君に対して「筆箱が落ちちゃって壊れちゃって、A君もびっくりしたかな? ショックだよね。」などと同様に声をかけてあげたいところです。さらに「B君が、どんな気持になっているか、A君は分かるかな?」、あるいは、「あなた(A君)も、ビックリしたりショックだったり、いやな気持ちになっちゃったんだけど、B君も、すごくいやな気持ちになったんだよね。」などとB君の気持ちに目を向けさせます。もしA君が「(B君は)すごく悲しいんだって」などと、B君の気持ちを受け止める発言が出てきたら、すごくほめてあげたいと思います。ここで、こちら から「相手の気持ちを大切にする言葉を前に勉強したでしょう。覚えてるかな?」とA君に投げかけます。(事前の学習を思い出させます。)そして、A君にどう言えばいいかを考えさせて、答えられたら、それを言うように促します。答えられなかったら、「この場合はB君に「すみませんでした」って言おうね」などと促して、できる限り言わせるように指導します。言えない場合には、「A君は本当は「すみませんでした」って言いたいけど恥ずかしくって言えないから先生がA君の代わりにB君に言っておいてもいいかな?」とA君に確認した上で、A君のいる場面で、A君に聞こえるように、B君に「すみませんでした」と謝ります。謝って終わりではなく て、「これからはどうしたらいいと思う?」などとA君(B君にも)投げかけます。自分の行動を振り返ることも大切なことだと思われます。

 途中で書いたように、この指導が成立するためには、事前の指導が必要です。「ありがとう」「ごめんなさい」「すみません」という言葉は相手の気持ちを大切にする言葉だと授業などで学ばせておきます。大人が電車で席を譲ってもらった時にどう言うかを例にあげて学習します。席を譲ってもらった人が、譲ってくれた人に「ありがとう」と言う場合もありますが、「ごめんなさい」とか「すみません」と言う場合もあります。自分が悪いことをしたから「ごめんなさい」とか「すみません」と謝っているのではな く、相手の気持ち(善意)に対して配慮するための言葉だと学ばせます。悪いことをした人が使うわけではないということがポイントです。誰も悪くない時に、相手の気持ちを大切に思って、「ありがとう」「すみません」「ごめんなさい」などと言うわけです。上の例で「すみませんでした」と言うように促すことは、2つの理由があります。1つは、「ごめんなさい」というのは、悪いことをしたときに謝る言葉だと、色々な場面で教え込まれてしまっている可能性があるからです。A君が「自分は悪くないからごめんなさいは言わない」と拒否するかもしれません。もう1つの理由は語原からです。「すみません」は「済みません」とも「澄みません」とも漢字 で書きます。「気持ちが済まない」つまり、気持ちの整理がつかないというニュアンスが含まれています。「気持ちが澄まない」も同様で、気持ちの中にモヤモヤが残ってしまうというニュアンスが含まれています。相手の気持ちも自分の気持ちも、整理がつかなかったり、モヤモヤするということを、口に出して表現して、気持ちを大切にする言葉が「すみません」という言葉なのです。こういった理由から、「すみませんでした」と謝意を表すことを促すのがよいと思われます。  

Posted by リソースポート at 17:01Comments(0)子育て発達障害

2017年06月10日

自分の問題を・・・


悩みや問題

 どんな人であっても、自分自身に問題を抱えていたりします。人間は神様ではないのですから、多少の問題を抱えていることが自然ですね。もともと、完璧な人間はいないのです。悩みを抱えていたり、問題を抱えていたりすることが、ごく普通の人間の姿です。

 ところで、そういった悩みや問題を少しでも軽くしたい、改善したい、悩みや問題から抜け出したいというのも人間として自然です。そんなときに、悩みや問題の原因を探って、その原因を無くせば悩みや問題を解決できるだろうというのは、ごく自然な発想です。

 しかし、原因を探って悩みや問題を解決しようという方法は、以外と上手くいかないことが多いものです。理由はいくつかあります。まず、問題は既に過去のことだからです。過去の出来事は、タイムマシンでもない限り今からでは変えることができません。原因をなくそうとしても、なくすことができません。また、悩みや問題は、沢山の要因から影響を受けて、悩みや問題が生じてきていることがほとんどです。自分自身の個人的な悩みであっても、最近の社会情勢や長年にわたる問題、経済情勢・・・・などなどに、色々と影響を受けています。それらをすべて解決改善していくことは不可能です。というわけで、原因を探してそれをなくすという方法ではなかなか悩みや問題の解決は難しいのです。
例えば、子どもが学校へ行かないなどの不登校についても同じ事が言えます。どうして学校にかないのかという原因を探してそれを解決しようとすることは、多くの場合上手くいきません。原因を探すよりも、少しずつできることを積み重ねていくことが、不登校から抜け出していくことにつながっていきます。例えば、学校へは行けないとしても、買い物に外出するとか、勉強には気が向かないとしても本を読むとか、できることを少しずつ続けていくことが大切なのです。

解決志向アプローチ

 こういった考え方を突き詰めていくと、「解決志向アプローチ」につながってきます。「解決志向アプローチ」というのは、問題や原因にこだわらず、良い方向(解決)へ進んでいくことについて焦点をあてているカウンセリングのアプローチ(方法論)です。ブリーフセラピー(短期療法)の一種で、「ミラクルクエスチョン」や「スケーリングクエスチョン」など、特徴的な質問方法を活用します。そして、クライエント自身が既に持っていた、より良い方向(解決)を明らかにして、クライエントとカウンセラーがそれを共有していくことを大切にします。

解決志向アプローチの持ち味

こ のアプローチでは、カウンセラーとクライエントが協力して「解決」のイメージを明確にして共有していきます。ある意味、「解決」は「解決する」ものではなく、「やってくる」ものなのです。しかも、「いつの間にか解決がやってきた」「もう既に解決が訪れていた」というように体験されていくことも多いようです。また、このアプローチでは、多彩な質問技法を駆使してクライエントと対話していきます。しかし、それは本質的な特徴ではありません。解決志向アプローチの最も本質的な特徴は、クライエント自身が既に持っている力(リソース)を深く信頼する姿勢です。

解決志向アプローチ入門講座

 解決志向アプローチは、様々な人の役に立つ考え方や技術です。今回は、子どもの教育(広い意味の教育)にかかわっている方を対象として、解決志向アプローチ入門講座を開催します。
 入門講座については、このブログのこちらの記事をご覧いただくか、こちらのリンクをご覧下さい。  

Posted by リソースポート at 06:23Comments(0)子育て
保護者向けの講座を開くのでお知らせします。

「子育て科学アクシス」という、発達障害などの子どもを育てている保護者の支援を行っている場所があります。
文教大学教授で小児科医で脳科学がご専門の成田奈緒子先生が代表を務められています。
子育て科学アクシスのホームページには
発達障害(自閉症スペクトラム)、ダウン症、不登校、そして「学校・園でうまくいかない子」…こんなはずではなかった「診断」をお子さんにつきつけられて途方に暮れているお母さん、お父さん。
不安障害、引きこもり、中途離職…「社会」に出てうまくやっていくことをあきらめているご本人。
子育て科学アクシスは医療を越えた新しいアプローチ方法で、あなたとお子さんの状態を今よりも良くします。

と書かれいます。


私が子育て科学アクシスで講座を開くのは7月2日(日)の10:20~12:00です。ホームページで以下のように紹介してくださっています。
午前のワークは、「子どもの成長を引き出す30秒カウンセリング!」
今回のゲストティーチャーは、「一瞬でよい変化を起こす10秒・30秒・3分カウンセリング」(ほんの森出版)の著者、半田一郎さんです。「一瞬でよい変化を起こす10秒・30秒・3分カウンセリング」はアマゾンのレビューでは☆5つで評価されています。そして、「カウンセリング(学校教育)」のカテゴリーではランキング1位になったこともある本です。子どもの困った行動や問題行動に対して、カウンセリングの理論を活かした言葉かけを紹介しています。その言葉かけは、ただ単に困った状況を切り抜けるだけではなく、子どもの成長を引き出したり、大人自身も楽になるような言葉かけだそうです。子どもの脳育てにも大人の脳育てにも、プラスになる30秒カウンセリングを学んでみましょう!どんな風に子どもに関わったら良いか具体的に聞きたい方は、事前に質問を受け付けます。お気軽にお申し込みください。
★こちらのワークは4Pでご参加いただけます。


少しでも興味を持った方は、子育て科学アクシスのホームページをのぞいてみてください。  

Posted by リソースポート at 07:24Comments(0)子育て発達障害
発達障害は、個性なのか障害なのかという話題は、良く語られています。杉山登志郎先生は「発達凸凹(でこぼこ)」という言葉をよく使っています。能力の高い部分と低い部分の差が大きくて、凸凹している、人のことを発達凸凹と呼んでいるようです。その発達凸凹の人が「適応障害」に陥った場合に、「発達障害」と呼んでいるようです。つまり、何か得意不得意が激しい人(発達凸凹)が、それがもとで、色んな苦労が大きくなったら(適応障害)、発達障害ということですね。発達凸凹というのは、何か可愛い呼び方ですね。

また、日本LD学会の作成したパンフレットには、「障害とは、理解と支援を必要としている個性である。」と書かれています。この言葉は、簡潔でかっこいいですね。すべての辞書に採用してほしいです。個性なんだけど、特に個性が際立っているから、すぐにパッと理解されないから、理解される必要があるということですね。個性が際立っているから、上手くいかなかったり、困ってしまうことが多くて、支援される必要があるということですね。

発達障害に限らず、障害は、本質的には個性なんだということですね。障害は、本質的には異常ということではなく、ひとり一人の違い、つまり、個性。それがきっかけで、色んな苦労が大きくなったら、個性にくわえて障害になってくるということですね。




ところで、もともと人は(生き物は)、多様性が生じるようにできています。色んな多様性がある(つまり個性がある)のが生き物として自然なことなんですね。発達障害と呼ばれる個性も、もともとから人間にあった多様性の一部分ですね。なぜ、多様性が生じるようにできているのかは、それが生存競争上有利(安定)だからですね。例えば、資産を運用するときに、リスクヘッジ(リスクを下げるための工夫)をします。金利が良い銀行にすべての資産を預けてしまったときに、その銀行がつぶれてしまったら、大変な損害になります。分散して預けたり投資をしたりするわけですね。生き物の多様性もそれと同じで、リスクを下げるためにもともと多様性が生じるようになっているのです。だから、発達障害と呼ばれるような個性が生じることも自然の範囲内なのです。

それから、極めて現実的なことで、あまり言われていないことを付け加えておきます。健康保険の問題です。健康保険がつかえるのは、病気や障害の診療ですね。ところで、病院は病気の治療だけではなく、健康なときにもお世話になることがあります。たとえば、健康診断です。実は、健康診断には、健康保険は使えません。基本的に自費での支払いになります。つまり、健康保険は病気(や障害)の治療にしか使えなくて、病気でない場合(健康診断など)には、健康保険が使えないのです。もし、「発達障害は発達凸凹で全然障害じゃなくて個性の範囲内ですよ。」ということだとしたら、健康保険が使えない可能性が出てきてしまいます。自費での診療になるわけです。突き詰めていくと、病院で健康保険を使って診療を受けるためには、障害である必要があるとも言えます。というわけで、発達凸凹という個性を持っている人達が、病院で支援を受けるためには、健康保険が使える方が便利ということで、ある意味、発達障害であるほうが良いわけです。という説明をどこかで聞いたことがあります(どこで聞いたかは忘れてしまいました)。なるほどなぁ~と思いました。
  

Posted by リソースポート at 21:19Comments(0)子育て発達障害
子育てをしていると、どんな親でも一度は体験するのが、子どもが「学校に行きたがらない」という事態です。

朝になって子どもが、「学校に行きたくない」と言い出したりすると、大変慌てるものです。

「どうして行きたくないんだろうか?」とか「学校でいじめられているんじゃないか?」とか「このままずっと学校に行かなくなってしまうんじゃないか?」とか色々と心配になってしまうでしょう。一生懸命励ましたり、話をはぐらかしたり、楽しいことを考えさせたり、気持ちに寄り添ったり、色々な方向から子どもに働きかけて、「学校へ行きたくない」という事態に対応することだと思います。そういった対応方法は、親も子どものためを思って一生懸命に関わっているわけですから、一概に、どれが良いとか悪いとか言えないように思います。暴力や暴言でなければ、どんなふうに関わっても、親が一生懸命に子どもに関わることは子どもにはある程度のプラスの働きがあります。

こういった場合に、絶対に忘れずに言ってほしいことが1つだけあります。それは、「行きたくないって言えるのがとっても素晴らしいね」と「行きたくない」ということを言えたことをほめてあげることです。どんな子どもでも、親にはすごく気を遣っています。親には心配や負担をかけないように、色々と気を配っているものです。楽しいことや良かったことを話すのは誰でも楽しいですし、話しやすい、話したいという気持ちになります。反対に、嫌なことやマイナスのことを話すのは誰でも心に負担がかかります。子どもにとっては「学校」という場は、ものすごく大きな存在です。だからこそ「学校に行きたくない」ということは、本当に心に負担がかかることです。それをきちんと言葉に出して話をしたのですから、言えたことは本当に素晴らしいことです。だからこそ、それをきちんとほめてあげることは、すごく大事で、絶対に忘れずに「行きたくないって言えるのがとっても素晴らしいね」と言ってあげてほしいと思います。

子育てをしていく上でのリスクを考えると、例えばいじめにあっている、ということがあげられます。いじめの問題が深刻な問題になってしまうのは、誰にも言わないで一人で辛い思いを抱えてしまっているときです。そういったリスクも考えて行くと、子どもが自分から困ったことや否定的なことを話してきたというのは本当に素晴らしいことです。人に話す、親に話すという姿勢や習慣をしっかりと身につけ行くためにも、「学校に行きたくない」と言えたわけですから、しっかりとほめていくことが大切ですね。


また、解決志向アプローチという、学校現場のカウンセリングから企業のコーチングという幅広い領域で効果が認められて、注目されている方法論があります。その、解決志向アプローチの視点に立って考えると、「『学校に行きたくない』と言えた」ということは、子どものリソース(良い面、できていること)だと考えられます。解決志向アプローチでは、リソースを探してそれを活用していくことを非常に大切にしています。解決志向アプローチから考えても、「『学校に行きたくない』と言えた」ということを積極的に認めて、ほめて(解決志向アプローチではほめることをコンプリメントと呼びます)子どもから、さらにプラスの側面を引き出していくことを大切にしていきます。

ちなみに、7月9日(日)に解決志向アプローチ入門講座を開催します。子どもを支援したり、子どもの教育にかかわっている人を対象としています。学校の先生や塾などの教室を開いている方、学校で相談員や支援員として子どもにかかわっている方、カウンセラーやそれを目指している学生さん、などの方々を対象としています。子どもとかかわっていると、ちょっとした瞬間に、どんなふうに言葉をかけてあげたら良いのか迷うことが多いと思います。そういった時のヒントが沢山得られる講座にしたいと思っています。

詳しくはパスマーケット(yahoo! japan)のページから  

Posted by リソースポート at 07:29Comments(0)子育て
NHKのEテレで5月28日(日)夜7:00から、「ティーンズバリバラ ~発達障害の悩み~」が放送されていました。

スタジオに、発達障害のある中高生8人が集まって、色々とお話をしてくれていました。ひとり一人、個性があって、それぞれの人に「魅力的だなぁ~」と感じました。でも、多分、彼ら彼女たちは、今はかなり色々と苦労したり辛い思いをしたりしているのだろうなぁと、想像しました。そういった苦労などは、本当は、決してマイナスにはならず、プラスになっていくのだと思います。でも、中学生や高校生の頃には、なかなか先の見通しが持てないので、余計に苦労したり苦しい思いをしたりしているかもしれません。身近な人が、彼ら彼女たちを理解してくれて、そっと支えてくれたらどんなにか良いだろうと思います。

そういうなかで、笹森理絵さんが良い役割を果たしていました。笹森さんは、発達障害の当事者でNHKのハートネットにも度々登場していた方です。番組では「発達障害の先輩」として紹介されていました。笹森さんのコメントが暖かくて素敵でした。

再放送が6月2日(金)0:00(木曜深夜)にあるようです。ぜひ、見て下さい。

http://www6.nhk.or.jp/baribara/lineup/single.html?i=458#top  
タグ :発達障害

Posted by リソースポート at 17:09Comments(0)子育て
7月12日につくば市で講演会です。

講師はNHKのあさイチに出演された増田修治先生(白梅学園大学)です。

あさイチの放送を見ましたが子どもへのかかわり方がステキでした。

https://www.city.tsukuba.ibaraki.jp/dbps_data/_material_/_files/000/000/021/040/chirashi.jpg  
タグ :講座子育て

Posted by リソースポート at 09:09Comments(0)子育て
今年の1月10日にほんの森出版から発行させていただいた「一瞬で良い変化を起こす10秒・30秒・3分カウンセリング―すべての教師とスクールカウンセラーのためにー」が、アマゾンのカウンセリング(学校教育)カテゴリーでなんと、1位になっていました(4月24日午前中)。その記念に画面をキャプチャしました。色んな人が本を購入してくれているんだなぁと感謝の気持ちでいっぱいです。レビューにもすごく良いレビューを書いていただいていて感激しています。

  

Posted by リソースポート at 09:10Comments(0)子育て
プロフィール
リソースポート
リソースポート
茨城県守谷市のカウンセリングルーム「リソースポート」です。主に子育てについてのカウンセリングを行っています。カウンセラーは学校心理士スーパーバイザー・臨床心理士の資格を持っていて、20年以上のキャリアがあります。
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