2017年07月17日

点数化してみる

 先日の、解決志向アプローチ入門講座でのことを、またすこし報告します。カウンセリングのやりとりのデモンストレーションを行いました。時間は、約15分という短い時間でした。実はその短い時間の中で、少しだけ良い変化が生じてきたのですが、それは、クライエント(相談者)役をやって下さった方も感じたようですし、見ていた参加者の皆さんも感じ取って下さったようです。
 デモンストレーションでは、クライエント役の方は、自分自身が実際に悩んでいることを話してくださいました。デモンストレーションでは、なりたい自分を聞くことに、前半の半分ぐらいの時間を使いました。実は、ただ単に、「なりたい自分はどんな自分ですか?」と聞いただけでは、なかなか具体的にはなりません。解決志向アプローチ独特の質問技法を活用して聞いていきました。10分弱で、ある程度なりたい自分が明確になった段階で、スケーリングクエスチョンを行ってみました。スケーリングクエスチョンは、小さな差位に目を向け、小さな変化が生じることを促すために使われます。また、変化については、クライエントが「ちょっと良くなった」などと曖昧に表現しがちなのですが、それを具体的にするという意味もあります。

 典型的な質問の言い方は、「最高に良い時を10点として、最悪を1点としたら、今は、何点ぐらいですか?」と投げかけます。ほとんどの場合クライエントは、あまり戸惑ったりせずに「大体、4点ぐらいだと思います」などと答えてくれます。そこで、さらに「それでは、その4点という点数ですが、4点の理由について教えて下さい。」などと、今できていることを具体的に聞いていきます。そして、「もし、今よりも、1点だけ上がったとしたら、どんなふうに良いことが起きそう?」などと、小さな変化に目を向ける質問をします。
 デモンストレーションでは、こんなふうにクライエント(相談者)役をやってくれた方に、数値で表してもらっていました。それだけの働きかけなのですが、自分自身の良い方向性が見えてきて、表情まで明るくなってきたのです。本人も観察していた人達もそれに気づいてくれて、デモンストレーションとしては、成功でした。

このスケーリングクエスチョンは日常生活の中で、自分ひとりだけでも使える方法だと思います。自分自身のなりたい自分をしっかりイメージした後に、「最高に良い時を10点として、最悪を1点としたら、今は、何点ぐらいですか?」と自分自身に聞いてみます。そして、自分で付けた点数について、その点数分のできていることを具体的に書き出してみます。いくつでもOKです。そして、今よりも1点だけあがった時を少し想像してみて下さい。今よりも、1点だけあがった状態の自分は、今と違って何ができているでしょうか? それも想像してみて、具体的に書き出してみます。なお、念のためですが、「今より1点だけあがるためには、何をしなくてはならないか?」とは考えないで下さい。

「今よりも、1点だけあがったときの自分は、今よりも何ができているか?」とその時の自分を想像してみて、その想像の中でできていることを具体的に書き出してみて下さい。

スケーリングクエスチョンなどの解決志向アプローチの技法については、心理教育支援室リソースポートの解決志向アプローチの技法のページをご参照ください。  

Posted by リソースポート at 19:23Comments(0)解決志向アプローチ
もうすぐ夏休みですが、夏休みの期間中、学校の先生方はたくさんの研修に追われます。私も、いくつかの研修会に呼んでいただき、講師を担当することになっています。今年は、発達障害の子どもたちをどう理解してどう支援していくのかという内容での研修をいくつか頼まれています。私なりに、今まで学んできたことや自分の実践の中で工夫してきて手応えを感じていることをお伝えしようと思っています。



 そういった研修会の中でお話ししようと思っていることの一つに、「ごめんなさいが言えない」という問題への支援方法があります。学校現場では、発達障害の子どもたちが、友達とトラブルになってしまったときになかなか謝罪できず、先生方 が対応に苦慮しているという現状があります。相手の子に謝るように繰り返し指導しているけれども、自分勝手な理屈を主張して謝らないというような事例もあるようです。先生方も発達障害の子どもを責めたいわけではなく、その子が相手の子どもから否定的に思われることを避けるため、社会へ出たときに人と上手くやっていく力を育てるため、などと子どものためを思って一生懸命指導されているようです。しかし、繰り返し指導してもなかなか謝れるようにならないケースがあります。

 その一つに、「悪いことをした人は謝らないといけない」という指導方法がかえって逆効果になっている場合があります。発達障害の子どもの中には、自分自身が感じて いることが世界の全てであって、他人が自分とは違うふうに感じているということがピントこない子どももいます。そうすると、その子どもにとっては、自分自身は「悪いこと」はしていないという感覚なのです。
 例えば、小学校2年生の授業中の活動で話し合い活動をしていたとします。A君は、後ろを向いて後ろの座席の子ども(B君)と話していました。時間が来て、先生が話し合い終了の指示を出して、A君は前を向きました。そのときに、机の端においてあったB君の筆箱にA君の手が当たってしまって、B君の筆箱が机から落ちてしまいました。そしてB君の筆箱は割れてしまい、B君は泣きはじめてしまいました。それを見た担任の先生は、何が起 きたのかを本人や周囲の子どもたちから聞いて、状況を理解しました。そして、A君に対してB君に謝るように言いました。しかし、A君は「僕は悪くない」と言い張って、全く謝りません。さらに先生が指導すると、「B君が机の端に筆箱を置いていたのが悪い」「先生が急に前を向くように言ったのが悪い」と言ってきます。そこで、先生は「筆箱を落としたのはA君なんだから、悪いのはA君でしょう。悪いことをした人は謝らないといけないよ」と指導しますが、A君は「自分は悪くない」「B君と先生が悪い」と先ほどと同じ事を言ってきて指導を全く受け入れられない状況です。

 発達障害を持つ子どもの中には、こんなふうに友達とトラブルになって しまったときに謝れないということが生じがちです。こんな場合にお勧めできない指導方法は、「悪いことをした子は謝らないといけないよ」という言葉に表れてきている、「誰が悪いかを決め」「悪いことをした人が謝罪する」という指導です。発達障害の子どもたちは、他者の立場に立って、他者の見方で自分自身を理解することが苦手です。つまり、自分自身の立場にたって、自分自身の見方で理解した世界が世界の全てなのです。上述の例では、A君は筆箱を落としてやろうとか、B君を困らせてやろうなどとは全く考えていなかったでしょう。自分自身には悪意はないのです。だから「誰が悪いか?」とA君を追求していけば、A君は「筆箱を机の端に置い たB君が悪い」とか、「急に呼びかけてあわてさせた先生が悪い」と考えを進めていくしかありません。こういった状況で無理に「ごめんなさい」と言わせても、形だけの謝罪になってしまいがちです。A君にとっても、理解できない不快な体験として記憶される可能性が高いですし、B君にとっても納得のいかない結末となってしまうでしょう。

 では、どんなふうに指導していけば、トラブルが生じたときに謝らせることができるのでしょうか? まず、必要なことは、共感的にかかわることです。A君にもB君にも共感的にかかわる必要があります。B君が泣いているわけですから、まずB君に「筆箱が壊れてしまって、ショックだね。悲しい気持ちになる ね。」などと感情を言語化しつつ、気持ちを受け止めていくことが大切でしょう。そして、A君に対して「筆箱が落ちちゃって壊れちゃって、A君もびっくりしたかな? ショックだよね。」などと同様に声をかけてあげたいところです。さらに「B君が、どんな気持になっているか、A君は分かるかな?」、あるいは、「あなた(A君)も、ビックリしたりショックだったり、いやな気持ちになっちゃったんだけど、B君も、すごくいやな気持ちになったんだよね。」などとB君の気持ちに目を向けさせます。もしA君が「(B君は)すごく悲しいんだって」などと、B君の気持ちを受け止める発言が出てきたら、すごくほめてあげたいと思います。ここで、こちら から「相手の気持ちを大切にする言葉を前に勉強したでしょう。覚えてるかな?」とA君に投げかけます。(事前の学習を思い出させます。)そして、A君にどう言えばいいかを考えさせて、答えられたら、それを言うように促します。答えられなかったら、「この場合はB君に「すみませんでした」って言おうね」などと促して、できる限り言わせるように指導します。言えない場合には、「A君は本当は「すみませんでした」って言いたいけど恥ずかしくって言えないから先生がA君の代わりにB君に言っておいてもいいかな?」とA君に確認した上で、A君のいる場面で、A君に聞こえるように、B君に「すみませんでした」と謝ります。謝って終わりではなく て、「これからはどうしたらいいと思う?」などとA君(B君にも)投げかけます。自分の行動を振り返ることも大切なことだと思われます。

 途中で書いたように、この指導が成立するためには、事前の指導が必要です。「ありがとう」「ごめんなさい」「すみません」という言葉は相手の気持ちを大切にする言葉だと授業などで学ばせておきます。大人が電車で席を譲ってもらった時にどう言うかを例にあげて学習します。席を譲ってもらった人が、譲ってくれた人に「ありがとう」と言う場合もありますが、「ごめんなさい」とか「すみません」と言う場合もあります。自分が悪いことをしたから「ごめんなさい」とか「すみません」と謝っているのではな く、相手の気持ち(善意)に対して配慮するための言葉だと学ばせます。悪いことをした人が使うわけではないということがポイントです。誰も悪くない時に、相手の気持ちを大切に思って、「ありがとう」「すみません」「ごめんなさい」などと言うわけです。上の例で「すみませんでした」と言うように促すことは、2つの理由があります。1つは、「ごめんなさい」というのは、悪いことをしたときに謝る言葉だと、色々な場面で教え込まれてしまっている可能性があるからです。A君が「自分は悪くないからごめんなさいは言わない」と拒否するかもしれません。もう1つの理由は語原からです。「すみません」は「済みません」とも「澄みません」とも漢字 で書きます。「気持ちが済まない」つまり、気持ちの整理がつかないというニュアンスが含まれています。「気持ちが澄まない」も同様で、気持ちの中にモヤモヤが残ってしまうというニュアンスが含まれています。相手の気持ちも自分の気持ちも、整理がつかなかったり、モヤモヤするということを、口に出して表現して、気持ちを大切にする言葉が「すみません」という言葉なのです。こういった理由から、「すみませんでした」と謝意を表すことを促すのがよいと思われます。  

Posted by リソースポート at 17:01Comments(0)子育て発達障害
 つくば市の研究学園駅から徒歩10分程度の所にある、Atelier como というレンタルスペースをお借りして、「解決志向アプローチ入門講座」
を行いました。参加者は、9名でした。また、今回の講座は学校心理士資格の資格更新ポイントB1(1ポイント)として認められました。

 解決志向アプローチというのは、カウンセリングの理論の一つで、短期的に効果的に良い変化を促していく方法です。カウンセリングだけではなく、コーチングなどの人材育成にも活用されています。今回の講座では、講義を聞いてもらうだけではなく、面接のデモンストレーションや演習、実習(ロールプレイ)など、体験しながら学ぶことを大切に行いました。面接のデモンストレーションは、解決志向アプローチを使った対話の例をまずは見てもらうということで、私がカウンセラー役となり、参加者からお一人募ってクライエント役をやっていただきました。解決像を(概ね)構築して、スケーリングクエスチョンを使ってみたところで、15分程度の時間が経過して、デモンストレーションを終えました。解決像について一緒に考えるプロセスや、スケーリングをするするプロセスで、クライエント役の人が前向きになったり、解決が近づいてきていることを観察していた参加者の皆さんが気づいてくれたようです。

 その後の演習、実習では「解決像を構築する」「スケーリングクエスチョン」の2つの内容を中心として進めました。「解決像」は解決志向アプローチの最も大切なところだと思いますが、一番、分かりにくいところでもあると思います。今までに習慣化している「問題」や「悩み」、それらの「原因」に目を向けるという思考プロセスが邪魔をしてしまうからだと思います。そこで、今回は「解決像」について一通り開設した後に、簡単な事例をもとにして解決像を構築していく演習を小グループで行いました。「問題」や「原因」ではなく、しかも「解決策」でもなく、「解決像」を一緒に構築していくということを体感していていただけたように思います。

「スケーリングクエスチョン」については、質問の仕方や言い回しなどについて説明した後に、ロールプレイの実習を行いました。3人一組で聴き手、話し手、観察者の役割をとってもらい、聴き手には、少々強引でもスケーリングクエスチョンを使ってみることをロールプレイを行いました。苦労した聴き手の方もいらっしゃったようですが、その後の振り返りやディスカッションでは有意義な話し合いができました。

 新幹線を使って愛知から来て下さった方、高速道路を使って福島から来て下さった方、茨城県内からも1時間以上かけて来て下さった方など、わざわざ遠くから来て下さった方が多く、驚きと感謝の気持ちでいっぱいです。また、10月29日(日)には同じ会場をお借りして、「解決志向アプローチ入門講座 その2」を行う計画です。内容は、「関係のアセスメント」、「リソース」、「コンプリメント」を考えています。「リソース」は解決志向アプローチのなかでは、「解決像」に次いで重要な概念だと(私は)思っております。また、実習や演習をおこなって、実りのある講座を行おうと思います。


講座についての参加者の皆さんの評価(参加者9名)
研修は分かりやすかった
 あてはまる    :8名
 ややあてはまる  :1名
 どちらともいえない :0名
 ややあてはまらない:0名
 あてはまらない  :0名

現場で役に立つと思う
 あてはまる    :9名
 ややあてはまる  :0名
 どちらともいえない:0名
 ややあてはまらない:0名
 あてはまらない  :0名

参加者の皆さんの詳しい感想は、心理教育支援室リソースポートのこちらのページから  

Posted by リソースポート at 08:55Comments(0)解決志向アプローチ

2017年06月10日

自分の問題を・・・


悩みや問題

 どんな人であっても、自分自身に問題を抱えていたりします。人間は神様ではないのですから、多少の問題を抱えていることが自然ですね。もともと、完璧な人間はいないのです。悩みを抱えていたり、問題を抱えていたりすることが、ごく普通の人間の姿です。

 ところで、そういった悩みや問題を少しでも軽くしたい、改善したい、悩みや問題から抜け出したいというのも人間として自然です。そんなときに、悩みや問題の原因を探って、その原因を無くせば悩みや問題を解決できるだろうというのは、ごく自然な発想です。

 しかし、原因を探って悩みや問題を解決しようという方法は、以外と上手くいかないことが多いものです。理由はいくつかあります。まず、問題は既に過去のことだからです。過去の出来事は、タイムマシンでもない限り今からでは変えることができません。原因をなくそうとしても、なくすことができません。また、悩みや問題は、沢山の要因から影響を受けて、悩みや問題が生じてきていることがほとんどです。自分自身の個人的な悩みであっても、最近の社会情勢や長年にわたる問題、経済情勢・・・・などなどに、色々と影響を受けています。それらをすべて解決改善していくことは不可能です。というわけで、原因を探してそれをなくすという方法ではなかなか悩みや問題の解決は難しいのです。
例えば、子どもが学校へ行かないなどの不登校についても同じ事が言えます。どうして学校にかないのかという原因を探してそれを解決しようとすることは、多くの場合上手くいきません。原因を探すよりも、少しずつできることを積み重ねていくことが、不登校から抜け出していくことにつながっていきます。例えば、学校へは行けないとしても、買い物に外出するとか、勉強には気が向かないとしても本を読むとか、できることを少しずつ続けていくことが大切なのです。

解決志向アプローチ

 こういった考え方を突き詰めていくと、「解決志向アプローチ」につながってきます。「解決志向アプローチ」というのは、問題や原因にこだわらず、良い方向(解決)へ進んでいくことについて焦点をあてているカウンセリングのアプローチ(方法論)です。ブリーフセラピー(短期療法)の一種で、「ミラクルクエスチョン」や「スケーリングクエスチョン」など、特徴的な質問方法を活用します。そして、クライエント自身が既に持っていた、より良い方向(解決)を明らかにして、クライエントとカウンセラーがそれを共有していくことを大切にします。

解決志向アプローチの持ち味

こ のアプローチでは、カウンセラーとクライエントが協力して「解決」のイメージを明確にして共有していきます。ある意味、「解決」は「解決する」ものではなく、「やってくる」ものなのです。しかも、「いつの間にか解決がやってきた」「もう既に解決が訪れていた」というように体験されていくことも多いようです。また、このアプローチでは、多彩な質問技法を駆使してクライエントと対話していきます。しかし、それは本質的な特徴ではありません。解決志向アプローチの最も本質的な特徴は、クライエント自身が既に持っている力(リソース)を深く信頼する姿勢です。

解決志向アプローチ入門講座

 解決志向アプローチは、様々な人の役に立つ考え方や技術です。今回は、子どもの教育(広い意味の教育)にかかわっている方を対象として、解決志向アプローチ入門講座を開催します。
 入門講座については、このブログのこちらの記事をご覧いただくか、こちらのリンクをご覧下さい。  

Posted by リソースポート at 06:23Comments(0)解決志向アプローチ子育て
保護者向けの講座を開くのでお知らせします。

「子育て科学アクシス」という、発達障害などの子どもを育てている保護者の支援を行っている場所があります。
文教大学教授で小児科医で脳科学がご専門の成田奈緒子先生が代表を務められています。
子育て科学アクシスのホームページには
発達障害(自閉症スペクトラム)、ダウン症、不登校、そして「学校・園でうまくいかない子」…こんなはずではなかった「診断」をお子さんにつきつけられて途方に暮れているお母さん、お父さん。
不安障害、引きこもり、中途離職…「社会」に出てうまくやっていくことをあきらめているご本人。
子育て科学アクシスは医療を越えた新しいアプローチ方法で、あなたとお子さんの状態を今よりも良くします。

と書かれいます。


私が子育て科学アクシスで講座を開くのは7月2日(日)の10:20~12:00です。ホームページで以下のように紹介してくださっています。
午前のワークは、「子どもの成長を引き出す30秒カウンセリング!」
今回のゲストティーチャーは、「一瞬でよい変化を起こす10秒・30秒・3分カウンセリング」(ほんの森出版)の著者、半田一郎さんです。「一瞬でよい変化を起こす10秒・30秒・3分カウンセリング」はアマゾンのレビューでは☆5つで評価されています。そして、「カウンセリング(学校教育)」のカテゴリーではランキング1位になったこともある本です。子どもの困った行動や問題行動に対して、カウンセリングの理論を活かした言葉かけを紹介しています。その言葉かけは、ただ単に困った状況を切り抜けるだけではなく、子どもの成長を引き出したり、大人自身も楽になるような言葉かけだそうです。子どもの脳育てにも大人の脳育てにも、プラスになる30秒カウンセリングを学んでみましょう!どんな風に子どもに関わったら良いか具体的に聞きたい方は、事前に質問を受け付けます。お気軽にお申し込みください。
★こちらのワークは4Pでご参加いただけます。


少しでも興味を持った方は、子育て科学アクシスのホームページをのぞいてみてください。  

Posted by リソースポート at 07:24Comments(0)子育て発達障害
発達障害は、個性なのか障害なのかという話題は、良く語られています。杉山登志郎先生は「発達凸凹(でこぼこ)」という言葉をよく使っています。能力の高い部分と低い部分の差が大きくて、凸凹している、人のことを発達凸凹と呼んでいるようです。その発達凸凹の人が「適応障害」に陥った場合に、「発達障害」と呼んでいるようです。つまり、何か得意不得意が激しい人(発達凸凹)が、それがもとで、色んな苦労が大きくなったら(適応障害)、発達障害ということですね。発達凸凹というのは、何か可愛い呼び方ですね。

また、日本LD学会の作成したパンフレットには、「障害とは、理解と支援を必要としている個性である。」と書かれています。この言葉は、簡潔でかっこいいですね。すべての辞書に採用してほしいです。個性なんだけど、特に個性が際立っているから、すぐにパッと理解されないから、理解される必要があるということですね。個性が際立っているから、上手くいかなかったり、困ってしまうことが多くて、支援される必要があるということですね。

発達障害に限らず、障害は、本質的には個性なんだということですね。障害は、本質的には異常ということではなく、ひとり一人の違い、つまり、個性。それがきっかけで、色んな苦労が大きくなったら、個性にくわえて障害になってくるということですね。




ところで、もともと人は(生き物は)、多様性が生じるようにできています。色んな多様性がある(つまり個性がある)のが生き物として自然なことなんですね。発達障害と呼ばれる個性も、もともとから人間にあった多様性の一部分ですね。なぜ、多様性が生じるようにできているのかは、それが生存競争上有利(安定)だからですね。例えば、資産を運用するときに、リスクヘッジ(リスクを下げるための工夫)をします。金利が良い銀行にすべての資産を預けてしまったときに、その銀行がつぶれてしまったら、大変な損害になります。分散して預けたり投資をしたりするわけですね。生き物の多様性もそれと同じで、リスクを下げるためにもともと多様性が生じるようになっているのです。だから、発達障害と呼ばれるような個性が生じることも自然の範囲内なのです。

それから、極めて現実的なことで、あまり言われていないことを付け加えておきます。健康保険の問題です。健康保険がつかえるのは、病気や障害の診療ですね。ところで、病院は病気の治療だけではなく、健康なときにもお世話になることがあります。たとえば、健康診断です。実は、健康診断には、健康保険は使えません。基本的に自費での支払いになります。つまり、健康保険は病気(や障害)の治療にしか使えなくて、病気でない場合(健康診断など)には、健康保険が使えないのです。もし、「発達障害は発達凸凹で全然障害じゃなくて個性の範囲内ですよ。」ということだとしたら、健康保険が使えない可能性が出てきてしまいます。自費での診療になるわけです。突き詰めていくと、病院で健康保険を使って診療を受けるためには、障害である必要があるとも言えます。というわけで、発達凸凹という個性を持っている人達が、病院で支援を受けるためには、健康保険が使える方が便利ということで、ある意味、発達障害であるほうが良いわけです。という説明をどこかで聞いたことがあります(どこで聞いたかは忘れてしまいました)。なるほどなぁ~と思いました。
  

Posted by リソースポート at 21:19Comments(0)子育て発達障害
子育てをしていると、どんな親でも一度は体験するのが、子どもが「学校に行きたがらない」という事態です。

朝になって子どもが、「学校に行きたくない」と言い出したりすると、大変慌てるものです。

「どうして行きたくないんだろうか?」とか「学校でいじめられているんじゃないか?」とか「このままずっと学校に行かなくなってしまうんじゃないか?」とか色々と心配になってしまうでしょう。一生懸命励ましたり、話をはぐらかしたり、楽しいことを考えさせたり、気持ちに寄り添ったり、色々な方向から子どもに働きかけて、「学校へ行きたくない」という事態に対応することだと思います。そういった対応方法は、親も子どものためを思って一生懸命に関わっているわけですから、一概に、どれが良いとか悪いとか言えないように思います。暴力や暴言でなければ、どんなふうに関わっても、親が一生懸命に子どもに関わることは子どもにはある程度のプラスの働きがあります。

こういった場合に、絶対に忘れずに言ってほしいことが1つだけあります。それは、「行きたくないって言えるのがとっても素晴らしいね」と「行きたくない」ということを言えたことをほめてあげることです。どんな子どもでも、親にはすごく気を遣っています。親には心配や負担をかけないように、色々と気を配っているものです。楽しいことや良かったことを話すのは誰でも楽しいですし、話しやすい、話したいという気持ちになります。反対に、嫌なことやマイナスのことを話すのは誰でも心に負担がかかります。子どもにとっては「学校」という場は、ものすごく大きな存在です。だからこそ「学校に行きたくない」ということは、本当に心に負担がかかることです。それをきちんと言葉に出して話をしたのですから、言えたことは本当に素晴らしいことです。だからこそ、それをきちんとほめてあげることは、すごく大事で、絶対に忘れずに「行きたくないって言えるのがとっても素晴らしいね」と言ってあげてほしいと思います。

子育てをしていく上でのリスクを考えると、例えばいじめにあっている、ということがあげられます。いじめの問題が深刻な問題になってしまうのは、誰にも言わないで一人で辛い思いを抱えてしまっているときです。そういったリスクも考えて行くと、子どもが自分から困ったことや否定的なことを話してきたというのは本当に素晴らしいことです。人に話す、親に話すという姿勢や習慣をしっかりと身につけ行くためにも、「学校に行きたくない」と言えたわけですから、しっかりとほめていくことが大切ですね。


また、解決志向アプローチという、学校現場のカウンセリングから企業のコーチングという幅広い領域で効果が認められて、注目されている方法論があります。その、解決志向アプローチの視点に立って考えると、「『学校に行きたくない』と言えた」ということは、子どものリソース(良い面、できていること)だと考えられます。解決志向アプローチでは、リソースを探してそれを活用していくことを非常に大切にしています。解決志向アプローチから考えても、「『学校に行きたくない』と言えた」ということを積極的に認めて、ほめて(解決志向アプローチではほめることをコンプリメントと呼びます)子どもから、さらにプラスの側面を引き出していくことを大切にしていきます。

ちなみに、7月9日(日)に解決志向アプローチ入門講座を開催します。子どもを支援したり、子どもの教育にかかわっている人を対象としています。学校の先生や塾などの教室を開いている方、学校で相談員や支援員として子どもにかかわっている方、カウンセラーやそれを目指している学生さん、などの方々を対象としています。子どもとかかわっていると、ちょっとした瞬間に、どんなふうに言葉をかけてあげたら良いのか迷うことが多いと思います。そういった時のヒントが沢山得られる講座にしたいと思っています。

詳しくはパスマーケット(yahoo! japan)のページから  

Posted by リソースポート at 07:29Comments(0)解決志向アプローチ子育て
NHKのEテレで5月28日(日)夜7:00から、「ティーンズバリバラ ~発達障害の悩み~」が放送されていました。

スタジオに、発達障害のある中高生8人が集まって、色々とお話をしてくれていました。ひとり一人、個性があって、それぞれの人に「魅力的だなぁ~」と感じました。でも、多分、彼ら彼女たちは、今はかなり色々と苦労したり辛い思いをしたりしているのだろうなぁと、想像しました。そういった苦労などは、本当は、決してマイナスにはならず、プラスになっていくのだと思います。でも、中学生や高校生の頃には、なかなか先の見通しが持てないので、余計に苦労したり苦しい思いをしたりしているかもしれません。身近な人が、彼ら彼女たちを理解してくれて、そっと支えてくれたらどんなにか良いだろうと思います。

そういうなかで、笹森理絵さんが良い役割を果たしていました。笹森さんは、発達障害の当事者でNHKのハートネットにも度々登場していた方です。番組では「発達障害の先輩」として紹介されていました。笹森さんのコメントが暖かくて素敵でした。

再放送が6月2日(金)0:00(木曜深夜)にあるようです。ぜひ、見て下さい。

http://www6.nhk.or.jp/baribara/lineup/single.html?i=458#top  
タグ :発達障害

Posted by リソースポート at 17:09Comments(0)子育て
解決志向アプローチとは、問題や原因にこだわらず、良い方向(解決)へ進んでいくことについて焦点をあてているカウンセリングのアプローチ(方法論)です。ブリーフセラピー(短期療法)の一種で、「ミラクルクエスチョン」や「スケーリングクエスチョン」など、特徴的な質問方法を活用します。そして、クライエント自身が既に持っていた、より良い方向(解決)を明らかにして、クライエントとカウンセラーがそれを共有していくことを大切にします。


解決志向アプローチの持ち味

このアプローチでは、カウンセラーとクライエントが協力して「解決」のイメージを明確にして共有していきます。ある意味、「解決」は「解決する」ものではなく、「やってくる」ものなのです。しかも、「いつの間にか解決がやってきた」「もう既に解決が訪れていた」というように体験されていくことも多いようです。また、このアプローチでは、多彩な質問技法を駆使してクライエントと対話していきます。しかし、それは本質的な特徴ではありません。解決志向アプローチの最も本質的な特徴は、クライエント自身が既に持っている力(リソース)を深く信頼する姿勢です。


講座のねらい
解決志向アプローチでは、問題を探すことや問題を理解することに時間を費やすことをしません。リソースを探し、より良い状態を共有することに時間を使っていきます。そういった解決志向アプローチの考え方を理解していただくために、概論的な講義を行うことが今回の講座の第一の中身です。しかし、それだけでは解決志向アプローチを使えるようになりません。実際に使ってみる時間をとり、ロールプレイ実習を行っていきます。講義と実習の両面から講座を行います。

心理教育支援室リソースポート半田一郎 (学校心理士スーパーバイザー、臨床心理士)



研修講座の概要


概要   講義と実習


対象  教育、福祉、心理の現場で働いている方、大学生・大学院生


開催日時 2017年7月9日(日) 10:00~16:30

     ※10月と1月に第2回目、第3回目を予定しています

当日の流れ

午前中に講義をします。その講義を受けて、午後からロールプレイ形式の実習を行います。実習では、3~4人のグループになって、解決志向アプローチ特有の質問技法などから2つの技法を選んで実習をしていきます

昼食休憩は12:00~13:30の約一時間半を予定しています。

会場について

会場はもとカフェスペースを活用したレンタルスペースです。写真のようにおしゃれで落ち着いた空間になっています。リラックスしつつ集中して研修に臨むには最高の空間になっています。ぜひ一緒に解決志向を学びましょう。

研修会場までの交通

研修会場は、研究学園駅から徒歩約10分です。つくばエクスプレスのご利用も便利かと思います。また、会場には駐車場(7台分)が併設されおりますので、車でのご来場も便利かと思います。駅の周辺にはコインパーキンも複数ありますので、そちらもご利用になれます。料金は1日駐車して500円が目安です。


お申し込みはパスマーケット(yahoo! japan)のページから

  

Posted by リソースポート at 09:48Comments(0)解決志向アプローチ
7月12日につくば市で講演会です。

講師はNHKのあさイチに出演された増田修治先生(白梅学園大学)です。

あさイチの放送を見ましたが子どもへのかかわり方がステキでした。

https://www.city.tsukuba.ibaraki.jp/dbps_data/_material_/_files/000/000/021/040/chirashi.jpg  
タグ :講座子育て

Posted by リソースポート at 09:09Comments(0)子育て
プロフィール
リソースポート
リソースポート
学校心理士スーパーバイザー、臨床心理士でカウンセリングに従事しています最近は、カウンセリングの専門家や子どもの支援者の研修に力を入れています。
画像は、2,017年1月10日に発行した拙著「一瞬で良い変化を起こす10秒・30秒・3分カウンセリング―すべての教師とスクールカウンセラーのためにー」の表紙です。
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